セルフネグレクトとは?遺品整理前に診断と解決方法をご紹介

セルフネグレクトは、自分自身や自分の身の回りに全く興味や関心がなくなる状態です。
セルフネグレクトになると、自分のことを気にしなくなるだけでなく、社会との接点をなくそうとしてしまう危険な状態に陥ります。
高齢者に多く見られますが、実は30代や40代の人にも多く、深刻な社会問題としてニュースに取り上げられます。
今回はそもそもセルフネグレクトは何か、4つの原因と3つの解決方法などを紹介します。
この記事の目次
そもそもセルフネグレクトとは?
セルフネグレクトは、自分自身や自分の身の回りに全く興味や関心がなくなる状態であるため、「自己放任」と訳されます。
この状態になった人は、自分や周囲に対して無関心な状態になります。
衣服や清潔感を気にすることがなく、何日も同じ服を着続ける、お風呂に入って体を洗うこともしなくなります。
深刻化すると不摂生な食事を取るどころか、食事を取ることすらなくなります。
また自分の周囲の環境にも無頓着になるため、掃除機をかけるなどの掃除のほか、ゴミ出しなどもされないため、自宅が「ゴミ屋敷」になってしまいます。
食生活の乱れ、もしくは食事をとらないことによる健康面の悪化や、不衛生な環境に自らをさらしてしまう。
そういったこともありセルフネグレクトは“自分自身への虐待行為” とも認識されています。
セルフネグレクトの恐ろしいところは本人に症状の自覚がないため、病院に行かず、家族や知人にも相談しないことです。
症状が深刻化すると、周囲の人の助けに応じない、むしろ反発してしまう悪循環が生まれます。
そのため孤立しがちなセルフネグレクトの人には、状態が悪化する前に対処することが大切です。
あなたは大丈夫?セルフネグレクトを診断してみましょう!

そこで、あなたもセルフネグレクトになりうる要因がないか、自己診断をしてみましょう。
自分自身に当てはまっていなくても、周囲の大切な人に当てはまっていないかをチェックすることも大切です。
- 家や部屋の清掃をしておらず、ゴミが溜まっていたり、服が散らかったりなどしている
- 生活のリズムが崩れており、体調が悪いままにしている
- 一人暮らしである
- 周囲に友達や家族、もしくは恋人がいない
- 地元が遠く、新しい環境に馴染めていない
セルフネグレクトの人には上記のような5つの要因が共通して見られます。
これらの要因は一人暮らしを始めた大学生や新天地で就職することになった新社会人にも当てはまるでしょう。
そのため高齢者だけでなく、若者でもセルフネグレクトになる人がいます。
若者よりも社会やコミュニティとの接点がなく、かつ生活リズムを強制的につくるもの(大学や会社)のない高齢者は特にセルフネグレクトに陥りやすいです。
複数当てはまっていると感じる人、もしくは周囲に当てはまる人がいる場合は、セルフネグレクトの可能性があるため気を付けましょう。
なぜ起こる?!セルフネグレクトの4つの原因

セルフネグレクトの原因は主に4つと考えられています。
孤立感 | 家から出る理由がなくなり引きこもりがち |
---|---|
認知症 | 当たり前のようにしていた家事などが急にできなくなる |
病気やケガ、身体機能の低下 | 認知症の人のように日常生活自体が困難 |
貧しさ | 貧しさは生活や心の余裕がなくなる原因であり、自身を否定する考えにもつながる |
孤独感 | 家族や周囲の人とのつながりがあれば、セルフネグレクトを回避できる |
孤立感
社会と全く接点がないと、家から出る理由がなくなり引きこもりがちになります。
引きこもりがちになると、否定的な考えになり、さらに家から出ないようになります。
子どもの独立、離婚、一人暮らしを始めた人など、今まで普通に話していた人と話さなくなることがあるでしょう。
そういった小さな変化がセルフネグレクトの原因の一つです。
認知症
認知症になると、記憶障害以外にも、当たり前のようにしていた家事などが急にできなくなります。
周りに世話をする人がいない場合は普通の生活自体ができなくなり、セルフネグレクトにつながります。
病気やケガ、身体機能の低下
大きな病気やケガ、もしくは身体機能が低下すると、認知症の人のように日常生活自体が困難になります。
日常生活が困難になることで、引きこもりがちになる、家の掃除をしない、風呂に入らないなどが重なり、セルフネグレクトにつながります。
貧しさ
経済的に余裕がないために、過度な節約をする、体調が悪くても病院に行かないことが積み重なると、セルフネグレクトになりかねません。
貧しさは生活や心の余裕がなくなる原因であり、自身を否定する考えにもつながります。
孤独感
セルフネグレクトの原因を4つ紹介しましたが、最もセルフネグレクトを引き起こしやすい原因が【孤独感】です。
他の3つの要因も原因になりますが、家族や周囲の人とのつながりがあれば、セルフネグレクトを回避できます。
一人では解決できない?セルフネグレクトの3つの解決方法

セルフネグレクトの解決方法は主に3つあります。
- 定期的に話しかける、外に出る機会をつくる
- 身体を洗い、服装や化粧など見た目を整える
- 「ゴミ屋敷」化した家や部屋を片付ける
定期的に話しかける、外に出る機会をつくる
セルフネグレクトになりかけている人がいれば、定期的に話しかけてみましょう。
特に外に出る機会をつくれば、社会との接点をもて、それまで陥っていた自己否定の意識から抜け出せます。
症状が深刻になり誰とも会おうとしない場合は、行政の相談窓口に行きましょう。
地域での見回りや、ハローワークと連携した仕事の紹介などセーフティーネットが用意されています。
身体を洗い、服装や化粧など見た目を整える
セルフネグレクトは色々な要素が重なり、負の循環に入ることで、自分への興味や関心を失います。
そのため一度強制的にでも身体を洗ってあげて、服装や化粧で見た目を整えてあげると、自分への興味を取り戻すきっかけが生まれるとされています。
しかし人によっては「他の人の世話になるのは恥ずかしい」と拒むことがあるため、嫌がっている場合は強制しないようにしましょう。
「ゴミ屋敷」化した家や部屋を片付ける
ゴミが山積みとなり、動くスペースがなくなった家や部屋はさらにセルフネグレクトの症状を加速させます。
周囲に積み重なったゴミが自己肯定感を下げる、または行動することをやめる理由になるからです。
そのため本人が拒絶しない限り、強制的にでも片付けましょう。
長らく家に引きこもっているとゴミの量が膨大になるため、無茶をせずに業者に依頼することがおすすめです。
セルフネグレクトの人を支えるのは大変なことです。
ときには自分が良かれと思って差し伸べた手をはねつけられることがあります。
そのときは自分だけで抱え込まず、行政のサービスを利用する、または周囲の人と力を合わせてセルフネグレクトの人の問題を解決していきましょう。
汚部屋やゴミ屋敷の片付けでお困りなら鶴の恩返しへ
セルフネグレクトは社会との接点のなさやゴミ屋敷など環境と強く結びついています。
そのため、解決方法の一つがゴミ屋敷の掃除なのです。鶴の恩返しでは、片付けのプロが片付けを代行します。
また鶴の恩返しでは、孤独死で亡くなられた方の遺品整理も行っています。ゴミが溜まった環境で亡くなられるのは悲しいことですが、それが放置されるのはさらに悲惨です。
鶴の恩返しでは、亡くなられた方の遺品を一点一点、丁寧に確認して必要・不必要を分けます。基本料金内でクリーニング、遺品の仕分け・買取もすべて行っており、他のサービスにあるような追加料金は発生しません。ゴミの溜まった家や部屋の片付け、遺品整理は「鶴の恩返し」にお任せください。